会社が倒産、連帯保証人である社長、私自身も自己破産、そんな倒産経験を持つ元社長の実体験、そしてその後の人生について語っているブログです。お越し頂き有難うございます。
タイトル
今回のタイトル、前回の「銀行に見捨てられる時」と1文字違いです。前回は「見捨てられる時」、今回は「見捨てられた時」です。実際、見捨てられた時の事や、心境、絶望感、覚悟、開き直りなどを書いてみたいと思います。
このブログを読まれている方には、中小企業経営者や、その奥様が多いと思いますが、少なからず経営が厳しければ、銀行からの借入もされている事と思います。銀行とどう付き合うか?については、中小企業にとって大事ですよね。私のように「見捨てられた」とならないように・・・、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
前回の記事はこちら
銀行との付き合い方
私の場合、過去に銀行へ「融資をお願い」したことがありませんでした。銀行へ出向いたこともなかったです。創業以来、売上もまー順調に伸びており、資金的にも自ら必要とはしないまま会社が成長していったので、やがて銀行が訪ねてくるようになりました。
借入も増え、年数が経過してくると、売上も増えていたので、次から次へと銀行がやってくるようになりました。田舎の方のオフィスでしたが、どこで調べてくるのか、帝国データバンクとかですかね?次から次へとやってきてました。
常に融資の話をいただいてましたので、必要な時は有利な条件で「では、融資受けますね」と言った感じで申し込む流れが出来上がっていました。融資を受けてない銀行も含めると、たぶん10行ぐらいが出入りしていたのか?と思います。
何かのためにコミュニケーションを取っておくのは大切なので、基本的にどの銀行でも訪ねて来たら、2回目、3回目にはお会いするようにしていました。ちなみに1回目では会わず、別途アポ取ってから来てくださいと事務員さんに対応させてたりしました。まーこれも営業的な感じですかね?2回目、3回目で「やっと会えた感」を演出するみたいな・・・
銀行に見捨てられそうになった時
さて、銀行に見捨てられる時の事は、前回のブログで書きましたので省略しますが、見捨てられそうと感じ始めたきっかけは、2-3か月以内に次の資金調達をしないと資金ショートしそうな時でした。直近でちょっと大きな支払いが控えていた事もあり、資金調達せねばと思っていました。
が、定期的にどこかの銀行から来る融資の打診がちょうど途絶えており、待っていても来なかったんですね。これはまずいと思って、やりたくはなかったのですが、こちらサイドから銀行へ連絡し、融資の打診をしてみました。これが良くなかったのかもしれませんね。でも、待ってても来ないし、このままこなければ資金ショートしそうだったので、アクションするしかなかったという状況でした。これが「やばい、見捨てられたかも」というきっかけです。
こちらから打診してみると、初めての事なので、やはり驚かれてました。当然「苦しいのか?」という警戒も抱かせてしまったのでしょう。話は思うように進みませんでした。メインバンクに正式に断られた後は、その他の銀行へも打診してみましたが、当然「メインバンクさんは?」と聞かれ、「ダメでした」と答えると、やはり警戒されてしまいます。メインバンクが貸さないのか、、、と。
最終、唯一頑張って頂けたのは政府系の商工中金さんでしたが、ギリギリまで頑張ってもらいましたがダメでした。うーん、困ったという感じですね。もうリスケしかない状況になりました。
銀行リスケ
当時、銀行への毎月の支払いが1,000万前後ありましたので、もうこの支払いを止めるしか、会社が生き残る道はなかったです。ま、流れ的には融資も依頼したし、その際に苦しい事は伝わってますし、リスケの可能性も少なからず感じていたとは思います。それでもリスケの話を切り出した時は、銀行にもよりますが、かなり大変でしたが、、、
リスケに関しては、以下の記事もご参考にどうぞ
覚悟
リスケの時点で、ある程度倒産の覚悟はありましたね。もちろん、リスケ後に復活する会社もありますので、うちも何とか頑張って復活!という気持ちはありましたが、リスケするという事は、もう当分、銀行からの融資も受けられなくなるので、資金が一時的でもショートしたら、THE END です。完全なるキャッシュフロー経営。これまで銀行からの資金に助けられて規模を一気に拡大してきましたので、それが途絶える事はかなり恐怖を感じました。
会社の売上も10億を超え、ある程度、やっぱり銀行融資の資金があって回っていたので、仮に返済が一時的に止められるとしても、不安は高まるばかりでした。でも、それでもまだ現実的な「倒産」という事は、実際起こるという実感は全然なかったです。
実際、リスケ後は銀行への返済が無くなり(利息だけ支払っている状態)、1年以上の間、キャッシュフローは毎月プラスで推移し、順調に回復しつつはありました。が、最終的には色々な支払いが重なった事で資金ショートしてしまったのですが、つまりは、そういうタイミングで一時的でも資金調達が出来ない事で、終わってしまったのです。
リスケ中の借入はほぼ不可能でしたので、相談はしましたが全然無理でした。あー、うまく資金も回って、売上、利益も回復してきたけど、ここまでか。という状態になりました。いよいよ覚悟せざる負えない状況ですね。倒産が現実になった時です。
ま、まさかですよね。その時は、先の事を考える余裕もなく、妻にどう言おうか、親にどう報告すべきか、社員への通達は、子供たちには、など、自分の中では「もしかしたら」という思いもあってこの時が来たのと違って、妻や親、社員などなど、いきなり「倒産」を聞かされるのは衝撃具合が違うと思います。倒産という現実も辛いですが、それを受け入れた後は、周りの人にどう受け入れてもらうか?どう伝えるか、こちらの方が更に辛かったと記憶しています。
そして、倒産したらどうなるのか?生活は?
そもそも、倒産ってどうやるのか?借金なくなってやり直せるのか?まだ知識も何もなかったので、そもそも倒産する事がどういうことなのかも分からず、まずは色々と調べる事からです。
やっぱり、倒産経験の実話だったり、そういったブログや記事、ネットで色々探しましたね。でも、ちょっとしたものはあれど、詳しくは全然分かりませんでした。弁護士さんのホームページなど色々書いてますが、あくまで法律の話であって、実際に倒産した人、その本人の話はほぼ見つからなかったですね。で、のちのちに、そういう経験からこのブログを始めたという経緯ですが。
その後、弁護士さんの話を聞いたり、色々な事を経験し、そしてひたすら勉強し、勉強というか、不安だからこそ、その不安を和らげるために色々な知識を身に付けて行きました。知識が付いてくると不安も和らいできました。
とは言え、大変です、倒産は。弁護士介入までは、まーいろいろな債権者と話をしてましたが、正直、いちいち落ち込んでられない感じでした。もちろん謝ったり、頭下げたり、誠意を見せたり、対応はしっかりやってきたと思いますが、何と言いますか、演技するようにしていたというか、もう後半は慣れてきて、そんな感じでしょうかね。
全部が全部、まともにやっていたら精神崩壊しかねませんので、上手に立ち振る舞っていたというか、常に冷静を意識しながら、1つ1つをこなしていく、やるべき事を1つ1つ消していく日々でした。どんなに沢山の嫌な事、やりたくない事、辛い対応があったとしても、1つやっちゃえば1つ減りますので、10個、20個やらなきゃいけない事があっても、1つ1つ減らしていけば、やがて無くなっていくんですよね。まー実際には減っても増えって感じですが、でもこなす事で減っていくので。
精神的にはタフになったと思います。毎日、常に、仕事の全てがクレーム対応みたいなもんですからね。それも全て激しいクレームの、それ以上です。
今、普通のサラリーマンをしていますが、まーどんなクレームがあろうと、何とも思わないと言ったら変ですが、あの時の経験がもう究極でしたので、実に楽ですね。「あー、この件、お客に、取引先に、電話したくないなー」って案件があっても、まーそう思う事はやっぱりありますが、「まいっか、電話しちゃお」って、一瞬で開き直れる感じ?というか、全然なんともないんですよね、次元が違うんですよね。倒産を経てさらに強くなった気がします。
だいぶ話が逸れてしまった感がありますが、失礼いたしました。ま、何と言うか、倒産というのは、現実になると逃げれないので、立ち向かうしかないというか、受け入れるしかないんですよね。仕事やプライベート、これやだなーって時、逃げ道を探したり、少し楽な方法を考えたりすることはあると思いますが、倒産というのは、現実に起こってしまう時は、もう逃げれないのでやるしかないんですね。
大変ではありますが、でも、弁護士さんにしっかりサポートしてもらえますので、思うほどではないと思います。それよりも家族のケアだったり、次の生活基盤だったり、そちらの方が大切と思います。これも書いた事ありますが、倒産した後は、倒産前の仕事関係の人間関係も、付き合いも、ほぼ無くなりますので、どう思われる?とか気にする意味もありません。いい人になる必要もなければ、どんなにいい人でも借金踏み倒した事に変わりないので、そもそも、相手からしたらいい人じゃないですし、いずれにしろ倒産、破産という大きなペナルティーは受けるわけで。それよりも身内、家族を大切にしていく事、思ってあげる事の方が1億倍大切です。
ご拝読、有難うございました。
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