倒産経験社長の実体験ブログ

経営していた会社が20☓☓年に経営破綻。負債3億円以上で会社は破算で個人も自己破算、そんな倒産を体験した元社長による実話ブログです。倒産前から弁護士介入、裁判、免責許可までの手続きの実体験、流れや出来事、生活の様子などなどを綴ってます。

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ビッグモーター在庫放出で中古車相場は下がるのか?

ビッグモーター

倒産ブログという事で、ビッグモーターと倒産と中古車市場についてお話します。

 

ビッグモーター在庫放出で中古車相場が大暴落!??

なんてYoutubeサムネタイトルをチラホラ見かけますが、果たして下がるのでしょうかね?ユーチューバ―得意の釣りタイトルか?なんて思ったり・・・

ご存知の方もいるかと思いますが、中古車業界は、オートオークションを通じて車を仕入れたり、売却処分したりしています。下取りをオークションに出したり、買い取った車をオークションへ出したり、逆に売るための車、つまり商品車をオークションから仕入れたり、お客様から直接買取りしてそのまま店舗で販売する以外は、大体このオークションが経由されます。

オークション会場は全国約120カ所、それぞれ週1回開催されてますので、月に約500回弱です。お休みは年始とGWとお盆休みぐらいなので、年間50週開催、つまり年間で合計6,000回も開催されています。

出品台数は2022年データで694万台、1週間で約14万台です。そのうち60-70%が成約になっています。成約と言うのは、オークションは競りですので、競りが成立せずに流れてしまう事もありますので、流れた車両は翌週また出品するか、諦めて自分のお店に戻すか?となります。

以上の事から、流れ車両を除くと、ざっくり毎年400-500万台ぐらいがオークションを通じて取引きされております。ちなみに中古車の年間流通量は約600万台です。

さて、ビッグモーターの在庫はネット情報だと約3万台ぐらい?みたいです。

当然少しでも高い金額で現金化したいでしょうから、まとめて1回で3万台も出す事はしないでしょうから、1回3,000台を10回に分けて放出(出品)するとしますと、毎週14万台出品されているものが、14万3,000台になります。ざっくり2%増加程度です。

まー普通に考えれば、とても暴落するなんて恥ずかしくて言えませんが、いくらビッグモーターが大手で、大量に在庫放出したところで、実際の所そんな程度です。

業界内ではお盆明けに在庫放出でオークションへ沢山出る?なんて噂されていますので、実際どうなったかはまた後日レポートさせて頂こうと思います。

オークションの取引平均単価が下がってる、暴落の兆しか?

なんてYoutube動画をチラホラ見かけました。

業界勤務だから詳しいぜって動画配信してる人もいれば、業界よく分からないので、ネットニュース読み上げながら感想語ってる動画も見かけます。

ただ、聞いてると結構間違ってる、というか筋違いな事を言ってるケースが多くあります。Youtube動画配信自体は個人の自由で配信してる訳で、その情報が合ってる合ってない?は視聴者が判断するので自由ですが、その間違った情報に対して、コメント欄に「勉強になりました!」とか「相場下がるみたいなのでしばらく中古車購入を見合わせます!」なんて書いてあったりすると、思わず「あらら・・」て思っちゃいます・・・

オークション会社は日本に沢山ありますが、最大手がUSSと言います。ちなみに全国の年間出品台数700万台に対して300万台がUSSです。

ここがプレスリリースか何かで、取引平均単価が下がり気味といったレポートと、ビッグモーターの在庫放出が相場に与える影響は?に対して「可能性はある」みたいな事を配信していました。これがユーチューバ―にとってはいいネタとなった訳ですが。

実際のところ「可能性はある」って回答は、一番無難な回答ですよね。影響があるかもしれないし、大してないかもしれないけど、よく分かんないから無難な回答をしたって感じですかね?

あと、平均単価が下がってるから中古車相場下がるぞーなんて動画で話してましたが、平均単価下がってるのって、これ業界の人からしたら当たり前すぎる話なんです。

昨年、半導体の影響で新車がなかなか納車されない事が結構話題になっていましたが、実際新車の納期が長すぎて、新車に近い高年式、新しい車の需要が増えて、中古車市場が春過ぎから秋にかけて高騰しました。

同時に、円安も加速して、海外バイヤーの買いが強くなり、高騰しました。
実際、こっちの方が大きかったと個人的には思っています。

海外では、国によって3年以内の中古車しか輸入できない国、5年以内、7年以内、国によって法律が違うのですが、昨年は一部の国でこの辺のう法律が緩和された事も、大量の中古車が海外へ輸出された原因になってます。

かつ円安だと、海外からすると普段より安く車を仕入れられますので、自然に相場は上がります。なので、売るつもりが無かった人も、儲かるぞ!とばかりに売却していました。

アルファード、ランクル、車種によっては新車で買ってそのままオークションに出すと100万以上利益?プラスになるケースが続出していました。

ちなみに海外への輸出台数は年間120万台ぐらいです。オークションの取引台数が年間400-500万台って考えると、凄い割合ですよね。相場に与える影響は絶大です。

で、半導体の生産が回復し、為替も落ち着き、今年に入ってからは高年式の出品台数自体が「通常通り」に戻った事で、オークションの平均取引単価も「通常通り」に戻りました。それが数字だけ見れば、対前年同月比96%なんて数値になりましたから、中古車相場暴落するぞ!なんて大袈裟な話をする人が出て来るんですが、ちゃんと業界の動きを把握してる人から見れば、別に何も普通じゃん、って話でした。

なので、専門会でもない人の配信動画の情報、車だけじゃなく色々な分野でも、あまり真に受けない方がいいと思います。と同時に、自分も色々な知らない分野の動画見る時は、配信者をしっかり吟味しないと、間違った情報がインプットされちゃうな、、、とも思いました。

ちなみにですが、去年より今年の方がオークション出品台数は増えています。6月に至っては、対前年比150%近い台数になっています。今年は中古車が凄い売れてますね。ディーラーは知りませんが。

ビッグモーターは倒産するのか?!

財務的なところから見れば、まだ現預金が300億あるとか本当か分かりませんが、そんな記事を見かけますが、そもそも社員6000人いたら人件費で月に30億?いや、高給取りが多いので40億ぐらいでしょうか?その他の固定費入れると月の固定費ってどのぐらいでしょうか?

売上大幅ダウンって報道されてますが、実際お店で車買う人はそうそういないと思いますので、今の売上って勝手な予想ですが、保険会社から入る任意保険の手数料だったり、買取りした車をオークションで売却したり、在庫を処分したり?ですかね。

実際、生のビッグモーター情報だと、お店にいてもめちゃ暇だそうです。ビッグモーター行ったよーなんてお客さんが来店する事もあるのですが、査定してもらったけど売るつもりはない人が多いみたいです。だって、契約して車を渡して、入金される前に倒産したらお金入ってこないですからね・・・

これは現場からの情報でどこまで正確か分かりませんが、ビッグモーターへ車を売ると、入金まで2週間近く待たされるそうです。業界的な平均は大体3-4日後の入金で、実際ビッグモーターも事件前は同じでした。

それが今や2週間後って事は、これってもうあれですよね。

気になってTwitter関連で検索してみると、買取り代金が入ってこないって呟きもチラホラ。本当なのか釣り?なのかは分かりませんが。

いずれにしろ、社員6000人いて、拠点数百カ所あって、売上が数か月も無ければ、現預金が無くなるのもすぐでしょうね。銀行も追加で貸してくれることもなさそうです。

気になって同業のガリバーの財務を見てみました。上場してますので公開されてます。期末の現預金300-400億でしたので、ビッグモーターの300臆は同じ業種と考えると妥当なのかもしれないです。

ガリバーの負債を見ると、長期借入金が430億、一年以内返済予定の長期借入金が240臆、合計670臆ありました。

上場すると市場から資金集められるのに、それでもこれだけ借入があるという事は、やっぱりこの業種は在庫商売ですので資金力が必要と言う事ですかね。

売上7000臆の会社が一時的にでも売上無くなったら、財務状況は一気に悪化してとんでもない火の車になると想像出来ますね。私が自分でやってた時なんて、それこそ1カ月、2カ月売上代金が入金されなかったら、たぶんやばかったと容易に想像・・・

何となくですが、出社途中にニュースで知った的な倒産、又は身売り?でしょうか?

いずれにしろデロイトトーマツが・・・なんて話も出てきていますので、身売り、譲渡なのか大幅縮小での再建なのか、、、

 

思うがままの長文になりました。

有難うございました。