倒産経験社長の実体験ブログ

経営していた会社が20☓☓年に経営破綻。負債3億円以上で会社は破算で個人も自己破算、そんな倒産を体験した元社長による実話ブログです。倒産前から弁護士介入、裁判、免責許可までの手続きの実体験、流れや出来事、生活の様子などなどを綴ってます。

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倒産で起こる「嫌な事」その④(全4回)

倒産後、新たな生活が始まってからの嫌な事

「倒産で起こる嫌な事」最終回です。最終回は、倒産手続きも終わって、新たな生活が始まってからの事、つまり「今」ですね。今、起こっている嫌な事を書くという・・

これはもう個人個人様々と思いますが、嫌な事というか、大きくは「生活水準の低下」に尽きますね。債務免除(借金がゼロ)になった訳ですので仕方ありませんが、「全財産没収の刑」を受けた訳ですので家もない、車もない(妻の車はあり)、貯金もない状態ですね。

親からの相続などがあったので、厳密には貯金はある程度あるのですが、私は一切手を出せない状態でして、生活費の補てんや今後の子供の教育費に充てる事になっており、自分個人としてはまったく無いも同然な状況です。これについて何か言ったところで「全部あなたのせいでしょ」って話です。

私の場合、もともと物欲もなく、社長だった頃も特に金遣いは荒くなく、むしろほとんど無駄遣いもしてなかったので、そういった意味では昔とさほど変わらないかもしれません。

が、とりあえずコンビニでお弁当を買う時に金額を気にする事もなく、子供たちを外食にたまに連れてっても金額を気にする事もなく、服や靴とかちょっと買うかと言う時にも躊躇する事なく買えてた訳で、それが今はまったくもって出来ないという現実ですね。500円のお弁当はやめて200円のカップ麺に100円のパンで済ますとかw 靴もボロボロだけど我慢して履いてたり。

不自由な生活

嫌な事、というより「不自由」な状態です。お金って何?とか、そういえば昔はたまに自己啓発うんぬんで話を聞いたり、読んだりしたこともありましたが、お金は「自由」を手に入れるものって話がありました。

お金があれば不自由さが解消される。美味しい物が食べれない不自由、好きな遊びが出来ない不自由、快適な家に暮らせない不自由、世の中不自由な事だらけですが、多くの不自由さは基本的にお金で解決出来ちゃいます。もちろんお金で買えないものもあるので、そこは否定しませんので。。

そういった観点から見ると、今は不自由です。ですが、朝起きて、仕事して、帰宅して、寝る、その間に携帯いじったり、子供と話したり、テレビ見たりっていう生活を行っている中では、不自由でもさほど気にはなりませんけどね。

昔と比較してしまうと、お金があった頃には自由だったことが今は出来なくなっているので「不自由」と感じてしまうだけなんだとは思います。

まーでも、一般的な世のサラリーマンと思えば、それが普通なのかもしれませんので、標準的な生活をしているんだと言い聞かせてはいます。ごくごく普通の貧乏サラリーマン世帯のお父さんですね。

余談ではありますが、うちの子はちょっと頭が良いのですが、昔「東大行く意味って何?」って聞かれた事がありました。「将来、やりたい仕事が出来た時、東大行っておけば大体が叶えられるよ。将来の選択肢を増やす事が出来る事かな。」と伝えました。

今はやりたい仕事なんて分からないし、やりたい仕事が出来るのはまだまだ先だけど、例えば勉強しないで二流大に行ったら(ちなみに私本人は二流大ですが、、、)、「国連に勤めたい」とか「官僚になりたい」とか、まー極端な例ですが無理な訳です。

が、東大に行っておけば、厳密には勉強して努力して相応の学力・知識と、ついでに学歴を手に入れておけば、やりたい事が出来た時の「人生の選択肢」が広がる訳で、つまりは不自由でなく自由な選択が可能になるという事です。限られた職業の中から自分の道を選ぶのか、無限の選択肢の中から自分の道を選ぶのか?でしょうかね。で、今は東大目指してます。

話はそれましたが、今の自分は「不自由」そのものっていう事ですね。

倒産社長=「失業」と「破産」

貧乏については、頑張って出世して高給取りになるしかないので、仕事頑張ってます。仕事もいくつか転職しましたが、「これ」という会社を見つけたので、5年先の自分のイメージを実現するために日々努力しています。

とはいえ、育ち盛りの子が沢山いるので、どんなに稼ごうが貧乏パパには変わりないのですが、ま、子供たちを社会に出すまでは当然のこと、頑張るしかないという感じです。

色々考えましたが、今起こっている嫌な事って、「お金がない事による不自由さ」以外に関しては、たいしてないんですよね。なので、その不自由さが苦でない人であれば、倒産破産後の生活も、それほど辛いものではないと思います。

少なからず、再就職して出世して昔よりいい生活を送れる可能性もある訳ですし、社長という全ての責任を背負った立場から解放された人生も悪くないと思います。

逆に考えてみると、今、起こっている嫌な事の多くが「生活水準の低下」が原因だとすると、稼げるようになりさえすれば解消される訳で、倒産後の人生再スタート次第では十分挽回できるはずです。

会社が倒産、破産ってとても辛い事ではありますが、倒産した社長って、つまりは「自己破産」して「失業」した事なんですよ。当たり前と言えば当たり前ですが、あえて分けて考えてみても良いと思います。

「失業」については「再就職してやり直す」事で復活出来ます。「自己破産」については「借金0になったので、あとはまた稼いで貯めていく」事で復活出来ます。

失業者数は2018年で166万人。自己破産者数は最近は毎年6~7万人だそうです。自己破産の20%が事業資金が原因による自己破産だそうで、つまりは倒産社長ってことですね。数字上は毎年1万人~15,000人って感じです。

まーあれです、自分は特別辛い状況な人ってわけではなく、166万の失業者数のうちの1人であり、毎年6~7万人の自己破産している人の中の1人な訳です。

だから、166万人の1人として、6~7万人の1人として、コツコツ頑張って生きて行こう!って感じですかね。