倒産経験社長の実体験ブログ

経営していた会社が20☓☓年に経営破綻。負債3億円以上で会社は破算で個人も自己破算、そんな倒産を体験した元社長による実話ブログです。倒産前から弁護士介入、裁判、免責許可までの手続きの実体験、流れや出来事、生活の様子などなどを綴ってます。

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会社倒産・自己破産で、自宅はどうなる?

倒産、自己破産したら自宅はやっぱり取られるのか?

会社の倒産、そして連帯保証人である代表者の自己破産、色々と大変な事、問題は山積みですが、やっぱり一番気になる事の1つが今の住まい「ご自宅」の事でしょう。

賃貸住まいであれば良いですが、会社経営者ですので多くの方は「自己所有」と思います。住宅ローンが残っている方もいれば、すでに終わっている方もいると思いますが、自宅がどうなってしまうのか?取られたら住む場所はどうすればいいのか?

様々なケース

引っ越し費用は?親名義の家に住んでいたら?土地は親で建物は自己所有だったら?破産手続き中に親名義だった土地建物を相続する事になったら?いつまで住めるのか?色々なパターンで色々な疑問が出て来ると思います。

基本的には自己破産ですので、資産は全て売却して現金化し、債権者へと分配しますので、ご自宅は売却して現金化する事になります。現金化されて「破産財団」に入り、債権者へと分配されます。

日本以外の自己破産では?家はどうなる?

今の日本では「自宅は取られる」のが通例です。日本では、というのは、国によって破産関連の法律は違いますので、日本以外だと取られない国もあるようです。まー残念ながら日本は世界的にみると厳しい?いみたいですね。

例えばアメリカでは最高150,000ドル(今のレートで1,600万~1,700万ぐらい?)までの家財、車、家は保護されるようです。(詳しく知りたい方はお調べ下さい、ざっくりですので)これって日本とかなり違いますよね。

ま、贅沢な自宅だったり、都心部で土地が高い地区ですと超えちゃいますが、地方だったり、ちょっと古めであったり、十分その範囲内に収まるケースも多そうです。普通に考えれば、経営的に危険を感じたら早めに引っ越しておけば取られずにすむって事ですよね?さらに車も保護されるって、、、

そのせいかもしれませんが、日本の自己破産人数が年間5~6万人なのに対し、アメリカでは年間150万人とかいるらしいです。まーここは国としての考え方?なのか分かりませんが、破産者の破産後の生活をある程度考えてくれているとは感じます。

日本の現状

会社は倒産し、連帯保証人の代表者も自己破産し、現金預金は全部取られ(現金は99万だけ残せますが)、もちろん失業状態、この状態で管財人に「〇〇までに引っ越して下さい」と言われます。

破産者が破産後にある程度生活していける家や財産を多少保護するっていう概念は日本には全くありません。現金、預金、車、生保の積み立て、子供の学資保険まで、全部持って行かれます。自己所有であれば家も追い出されます。THIS IS 日本です。

でも管財人からすると、資産を現金化して債権者(被害者)に債務を分配するのが仕事であり、使命ですので、自宅を競売にかけて売るのは当然のこと。そして買い手が決まったら早く引き渡して現金を破産財団に入れたい、これもごくごく当たり前の事です。

「引っ越し費用もないし、移転先の目途も立たない」って言われたところで、「何とかして下さい。期限を守って下さい」となってしまうのも仕方のない事です。そして管財人は「免責許可」を与える権限を持っていますので、ここで「無理、引越し出来ない、期限伸ばして欲しい」とか揉めてしまうと、印象も悪くなるのでいい事は一つもないでしょう。だから、何とかするしかないんですね・・・日本では。

連帯保証人と自己破産

「身から出た錆」「自業自得」「自分が蒔いた種」ではありますので仕方ないですし、債権者からすれば「貸した金が戻ってこない」訳ですので「当たり前」なのかもしれませんが、個人で借金して返せなくなっての自己破産でなく、「連帯保証人」としての自己破産は辛いところです。

そう考えると会社倒産とは関係なく、「知人の連来保証人になって」「身内の連帯保証人になって」が原因で自己破産してしまう方もいらっしゃる訳で、この場合はその借金とは全く無縁で自己破産ですので、それ以上に無念なのだと思います。

自分の経営している会社の連帯保証人であれば当然仕方ないですが、知人や身内、このような「連帯保証人」には絶対なっちゃいけないですね。ハンコ1つで人生が終わるって、まさにその通りと思います。

今の自宅に住み続ける方法

破産手続きに入ると、自宅は通常競売にかけられ、売られ、現金化される事になるでしょう。売れたら次は退去しなければいけなくなります。それを避ける方法としては、例えば自宅を親、身内、知人?などに買ってもらう事です。

ちゃんとした相場金額で買ってもらえれば、管財人も競売の手間も省けますし、競売で現金化する事と同じですので、認めてくれる事と思います。もちろん事前に相談し、許可を得た上で売却します。実は私も頑張ってみましたが、まー無理でした。まー普通の家であれば何千万もポンって出てこないですよね。

そして、裁判も全て終わり免責許可も出たら、その後に買い戻す事で自宅を守れます。現実的には自己破産してすぐに買い戻す事は出来ないですので、将来的に買い戻すなり、分割で少しずつ返済したり、親だったいずれ相続するなりで自分のところに戻ってきます。今の自宅に住み続けつつ、自宅を守れる事になります。いずれにしろ、担当弁護士や管財人に相談の上での話です。

っていうか、アメリカってすごい・・