倒産経験社長の実体験ブログ

経営していた会社が20☓☓年に経営破綻。負債3億円以上で会社は破算で個人も自己破算、そんな倒産を体験した元社長による実話ブログです。倒産前から弁護士介入、裁判、免責許可までの手続きの実体験、流れや出来事、生活の様子などなどを綴ってます。

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社員が辞める理由と防止策

突然の社員からの退職申告

会社経営していると、こんな事も稀にありますよね。
延べ15年ほどの会社経営経験があり、今はイチサラリーマンをやっている元社長、それぞれの立場経験があるからこそ見える側面を、お伝えしてみたいと思います。

経営者時代には見えていなかった事、社員目線だから分かる事って結構多いです。その1つが、突然の退職。割と主力戦力の人が突然会社を去る事は、中小企業にとっては痛手になります。退職理由にも色々あると思いますが、現場目線で見ていると、避けられるケースもあるんだなぁと感じます。

これらを避けるのに効果的な方法は、勝手に命名しちゃいますが「2段階層コミュニケーション」です。私の経験上の考えですので悪しからずご了承ください。これについて解説していきます。

コミュニケーション

社員10名、20名ぐらいまでは、割と社長や部長クラスも、全社員の事を見る事ができ、全社員とのコミュニケーションも自然にしている事と思います。

社長の性格次第ですが、社長が前面に立って会社を引っ張っている場合は、社長自身が各社員とのコミュニケーションがあり、個々との関係性もある程度出来ているので、突然の主力の退職は、あまり起こらない気がします。

逆に社長が一歩引いたスタンスの場合でも、NO2である部長クラスが社員とのコミュニケーションを行っていれば、これも同じ感じです。

ところが、社員が30名、40名、50名~100名になってくると、各社員とのコミュニケーションは、直属の上司が中心になってくるので、社長部長クラスの目が行き届かなくなるでしょう。

要は、とても単純な事ですが、社員からすると「私の事を見てくれているんだ」というのがとても大きなモチベーションになっています。

当たり前ですが、直属の上司は日々接していますので、直属の上司に対して「私の事を見てくれているんだ」とは思いません。大事なのは直属の上司のその1つ上の上司です。部長ー課長ー係長ー社員であれば、課長さん。部長ー課長ー社員であれば部長さんです。この自分から2つ上の上司の「見てくれている」が、すごく大きなモチベーションに繋がります。

主力メンバー候補を逃がさない

会社は大きく、経営層(社長部長クラス)と、管理職層(課長係長クラス)と、一般社員(主任及び一般社員)で構成されていますが、管理職層はそれなりの頻度で経営層とのコミュニケーションがあるので、またすでに管理職へ昇進しており、給与待遇面、将来に対して、昇進に対して、ある程度のモチベーションも含め突然の退職は少ないと思います。

会社の成長にとって大切なのは、現在現場で活躍している一般社員の中の、主力メンバーです。数字を作っているという意味での会社への貢献度も大事ですが、今後の管理職候補としても大事な人材です。

成績優秀者への表彰なり、何らかの貢献度を称える制度を設けている会社も多いと思いますが、これも意識してるしてないは別にして、要は今後の主力メンバーを逃さない為の制度と言えるでしょう。

主力メンバーは当然、実績、数字を出している事は自覚しており、今後の昇進も現実的な視野に入れている事でしょう。とはいえ、主力メンバーゆえ、会社的には出来れば現場で数字を作り続けて欲しいという面もあるでしょう。

ところが、何年も現場で数字を作り続けていると、「あれ?俺ってずっとこのまま?」って思ってしまいます。当然、優秀な人材ですので、色々な場面を通じて他社、取引先、友人知人などなど、スカウト的な声を掛けられる機会も多いでしょう。

そういったタイミングが重なると、意外にあっさり転職されてしまいます。給与が1.2倍、1.5倍とか?スカウトですので役職も用意されてたり?グラッと来ます。

しかし、普段から自分の2つ上の上司に、目を掛けてもらってて、ある程度の将来ヴィジョンが見えていれば、「いや、今実績出していて、それを上の人も認めてくれてるし、ここで転職してまたイチから実績作るよりも、今の会社で今のまま実績積み上げてった方が良い」といった判断になる可能性が高くなります。

転職リスクというのは、我ら社員にとって大きいですので、その転職リスクを上回るメリットがないと転職しません。なので、上回るメリットを感じさせない程度には、ケアしておく必要があります。ぶっちゃけ、優秀な社員の転職は、管理職の無能が原因という事も多いです。

無能な管理職の下でやりきれないってケースは論外ですが、優秀な社員を放置してるのに、辞めるってなると必死に食い止めようとするとか、無能の象徴です。逆に、あいつは優秀だからと、頻繁にコミュニケーションを測ったり、たまに食事連れてったり、とかしていて辞めてしまうんであれば、それは仕方ないです。まーそこまでしてて相談なく辞めちゃう事も普通少ないとは思いますが。

プレイングマネージャー制度

私が以前勤めていた上場企業では、そういった営業マンはプレイングマネージャーとして、部下を持ちながらも現役で数字を作り続けている方が多くおりました。

プレイングマネージャーの制度も、そういった主力メンバーをとっとと管理職にして、部下を付けて、部下の管理をやりつつ数字を作りつつ、そしてそうする事により退職リスクを減らすという意味では、とても効果的なやり方と思います。

優秀な人材探し

会社なんて言い方悪いですが、要は優秀な人材探しです。結局2:8の法則ではないですが、2割の社員が8割の数字を作る、とまではいかないまでも、優秀な人材がいて、その他大勢がいてって感じではないでしょうか。

大手企業であればさておき、中小企業に入ってくれる優秀な人材も少ないですので、捕まえた優秀な人材は外に逃さない事が会社の将来に影響してくると思います。10人採用して1人、20人採用して1人、そんな人材を見つけ、上に上げる事で成長する気がします。

私の社長時代、同業者ら取引先で急成長している会社に多かったのも、優秀な人材をどんどん上に上げていくやり方をしている会社でした。極端なケースですが、当時営業マンだった人が、10年後の今、まだ若いですが社長になってて年商80億になってる会社もあります。

今思えばですが、当時のその社長のやり方、すげーなと思います。出来るヤツをガンガン上に上げ、会社を成長させていく手法とでもいいますかね?

2段階層コミュニケーション

極論、会社は優秀な人材探し。優秀な人材=管理職にして事業を回していく。逆に言えば、優秀でない管理職、これは排除。(長年、会社経営していると、優秀でない管理職がいると思いますが、これ、致命的な会社にとってのガン細胞です。イチ社員の立場から見ると、気持ち悪いぐらい目につきますので、会社の将来を考えるなら、また優秀な若手を会社主力へ育てたいなら、即排除をお勧めします)

優秀な人材を逃さない為には、役職を付ける、上に上げる、ですが、会社的にそうそうポンポン出来ないというのであれば、2段階上の上司が目を掛けてあげる事です。

直属の上司は目を掛けて当たり前で、その上の上司に目を掛けてもらっているという事が、このような優秀な人材にとっては重要です。まぁ、直属の上司に直接的に自分を昇進させる力などないだろうなと思っているというのもあります。

会社は優秀な人材を発掘する事が大事ですので、社長、部長、課長、係長、社員という構造であれば、社長は課長とのコミュニケーションを増やし、部長は優秀な係長とのコミュニケーションを増やす。課長は優秀な社員とのコミュニケーションを増やす。

仮に社長、部長、課長という組織であれば、部長は優秀な社員とのコミュニケーションを増やす事で、優秀な人材の流出を防げる確率が上がるでしょう。

社員は直属の上司に任せておけばいっか、なんてつい思ってしまいがちですが、まー普通の社員は直属の上司に任せておけばいいんですが、優秀な社員は今後の会社の主力メンバーになる可能性が高いので、直属の上司の上の上司もコミュニケーションを取ってあげて下さい。現場のイチ社員からすると、これってめっちゃモチベーションアップにもなります。逆に、これが無くて辞めてった人もいたりします・・・

ちなみに、目を掛けてあげてる感ですが、たまーに話をするぐらいじゃダメです。会社規模にもよりますが、ある程度頻繁に行う事が大事です。

長くなりましたが、何となく伝わりましたでしょうか・・・

お読み頂き、有難うございました。