会社が倒産、連帯保証人である社長、私自身も自己破産、そんな倒産経験を持つ元社長の実体験、そしてその後の人生について語っているブログです。お越し頂き有難うございます。
借金と融資
倒産の話には「借入」は付き物ですね。「倒産」と「借入」は切っても切れない関係であり、ビジネスにおいて「融資」や「銀行融資」と言えば綺麗ですが、要は「借金」ですよね。会社にとっては一度やったら辞められない「麻薬」みたいなものです。
倒産経験者からすると、やっぱり「借金」に最後は苦しみました。経営していくにはある程度必要な借金、融資ですが、でも無借金経営の会社もありますので、絶対必要という訳ではないんですよね。ま、無借金経営とまではいかなくても、最低限の融資で会社を回していくのが、会社を長く継続するためには必要ですよね。と今さらながら思います。
融資については、このブログでも色々なテーマで書いて来ましたが、倒産を振り返ってみると、やっぱり借金、融資なくして倒産は語れないなーと思います。
攻めの融資と守りの融資
中小企業、零細企業にとっての「融資」、これはもう命の源であり、生命線であり、致命的になる可能性もあり、まー何とも言えないですが、借金はしない方がいいというのはつくづく感じました。が、会社を成長させるには必要な事もあり、うまく活用できる経営者は優秀だと思います。
私の場合、まずは当然かもしれませんが「攻めの融資」から始まりました。売上が増えて行き、もう仕入が追い付かなくなってきて、受注をさばくには仕入資金の融資が必要な状況でした。何度か書きましたが、売上は1億、2億、4億、6億みたいに年々増えていったのですが、利益だけではとても仕入資金が足りない状況でしたので、どんどん融資を受けていきました。おかげでどんどん売上が伸びていきました。
これって果たして正解だったのでしょうか?って今思えば考えてしまう事があります。売上が伸び、社員が増え、固定費も増え、でも売上が増えた分だけの粗利も増え、経常利益も増えていきましたが、同時に借金も増えて行きました。
今思えば、借金しすぎた気がします。攻めの融資でどんどん増えていきましたが、どっかのタイミングで一旦立ち止まり、借入総額を減らす期間を設けるべきだったと痛感しました。
借入が増えれば、当たり前ですが毎月の返済額も増えて行き、それを利益でカバーし続ければ借入総額も徐々に減っていきますが、いつの時期からか?利益でカバーできなくなり、「守りの融資」を受けるように変わっていました。
この「守りの融資」と私が勝手に名付けたのですが、これはいわゆる会社を成長させていくのに必要な融資を「攻めの融資」とすると、その反対で、会社を維持していくのに必要な融資?みたいなものです。
守りの融資を受けるようになり、いつしかそれが自転車操業への変化していきました。でも会社の売上はほぼ毎年伸び続け、創業以来ずっと黒字決算でした。それでも、いつのまにか自転車操業に変化してしまったんですよね。怖いものです。
今、このブログを読まれている方の中にも経営者は多いと思いますが、融資を受けられている方も多いでしょう。それは攻めの融資ですか?守りの融資でしょうか?私以外でも、すごく順調に伸びていた会社が、融資をきっかけに傾いていったケースもあります。「借入は計画的に」なんてCMが昔ありましたが、経営においても融資は本当に慎重に慎重にと思います。
倒産経験社長から言える事は、拡大期の攻めの融資は確かに必要ですが、その後は、「調子が良い時」こそ「借入総額を減らすべき」という点ですかね。借入総額をある程度まとまって減らしていくのって、結構大変なんですよね。分かっているとは思いますが。だからこそ、調子がいい時こそ「減らすべき」であり「減らせる時期」なんだと思います。私のように調子がいい時にも借入を増やしてさらに拡大を!なんてやり続けてると、黒字のまま自転車操業へと向かっていく可能性もあります。
多少のつなぎ融資を受けながらも、中長期的に減らしていくような資金繰り計画だったり事業計画を建てて行く事が、倒産しない経営には必要だったのかなと思いました。
ごくごく一般的な話かもしれませんが、何かのお役に立てれば幸いです。ご拝読、有難うございました。
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