倒産経験社長の実体験ブログ

経営していた会社が20☓☓年に経営破綻。負債3億円以上で会社は破算で個人も自己破算、そんな倒産を体験した元社長による実話ブログです。倒産前から弁護士介入、裁判、免責許可までの手続きの実体験、流れや出来事、生活の様子などなどを綴ってます。

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倒産・破産に伴う鬱からの脱出

会社の倒産・自己破産と鬱(うつ)

倒産に伴い自分を攻める事も増えるでしょう。後悔もあるでしょう。倒産から弁護士介入、債権者集会と、嫌でも気持ちは盛り下がります。免責許可がおりて裁判が終了する事が第一の目標ですが、ここを最終目標にしてはダメです。

何度も書いてきましたが、免責許可、裁判終了は通過点で、その後の生活を再開する事、新しい未来を歩むことが目的で、倒産・破産の手続きは通過点です。

人によって、特に会社の規模によって期間は違ってくると思いますが、免責許可・裁判が終わるまでには数か月はかかるでしょう。その間、色々な事を感じながら過ごす事になりますが、鬱(うつ)との戦いにもなるかもしれませんので、そこをしっかり乗り越えて欲しいと思います。

倒産過程で感じる様々なこと

倒産までの過程においては、様々な苦しみを感じます。後悔、心残り、自己嫌悪、罪責感、罪悪感、自責の念、悔恨の思い。個人差はありますが銀行対応、リスケ、支払停止、債権者対応など、慌ただしい日々を過ごします。

そして弁護士介入後は一変、一切の接触が無くなります。これまでの取引先や銀行、債権者、社員とも、その日を境に一切無くなります。今まで何年、何十年も社長という立場で様々な人に囲まれて生活してきましたが、弁護士介入と共に一変します。

この後、しばらくは「無」との付き合いです。孤独、失意、虚しさ、脱力感、喪失感、空白。生活において接触するのは担当の弁護士事務所の方、人によっては管財人とも直接、それ以外は家族がいれば家族、あとは友人など。

この時に感じるのは「社会からの隔離、疎外感、孤立感」です。

静かな生活

ここまで生活が激変すると、今までの慌ただしさから「静」の生活へ一変しますので、鬱(うつ)と似た感覚を感じるかもしれません。でも、それは鬱ではなく、ごくごく自然な感覚と私は思います。

接触する人が極端に少なくなります。仕事関係は一切なくなりますので、そうなると親、家族、友人でしょう。妻帯者であれば奥様との接触、会話はありますが、こんな状況ですので明るい話もしずらく、少なからずギクシャクしてしまいます。これは当たり前の事です。

友人であれば普段通り接する事は出来ますが、倒産の事実を黙っていたら仕事の話題になると辛くなりますし、倒産を打ち明けたら、変に気を遣われてしまったりと、そもそもこんな状況で心から楽しんで飲んだり騒いだりも難しいでしょう。実際に私もほぼ無かったです。

そうなると、生活は静かになるんですね。

もしもお子さんがいれば、まーここは唯一無二ですね。子供は今までと一切変わらなく接してくれます。最大の癒しになるでしょう。

社会と繋がる機会

社会からの疎外感は少なからず感じると思います。ですので、出来れば社会との接触機会を増やす事で気持ちが楽になる事もあります。

床屋、美容院に行って、お店の人と話す機会。トレーニングジムに通う事を始めれば、インストラクターの方との話す機会も増えるでしょう。まー実際お金がかかるので難しいかもですが、例えば無料体験会でもいいと思います。ジムでもテニススクールでも、たまにやってますよね。

それこそ、コンビニやスーパー、人がざわざわする場所へ出かけるだけでも新鮮です。地域のイベント、夏ならお祭り、囲碁将棋などが出来る方ならそういったコミュニティーの場もいいと思います。

携帯、スマホでソシャゲとかでも、チャットで誰かと繋がるのもありです。自分の事、倒産破産の事を一切知らない人との接触、会話の機会を意図的に増やす事です。

自分次第

当たり前ですが上司もいなければ部下もいません。自分の行動を後押ししてくれるような外的要因はありません。前に進むのは「自分の意志」のみです。後は妻からのプレッシャーでしょうか(汗)

通常、奥様は自分よりも現実的です。私の場合もそうですが、様々な方からお問合せを頂いて、色々な話を伺う限り、現実的です。旦那様、社長は会社の処理で忙しいですが、奥様はそこには関われませんので、必然的に「先の生活」を見ています。今後を考えています。ごくごく当たり前の流れです。

そんな奥様からある程度の「プレッシャー」があるのは、現実に戻るには良い事と思います。なんの外的要因もない中で、自分の意志だけではなかなか動けなくても、奥様からのプレッシャーがあれば前に進めます。

そして最後は「自分の意志」です。奥様がいてもいなくても「自分の意志」です。独身の方は奥様のプレッシャーはないですし、倒産のドタバタで別居、離婚といった状況の方もいると思います。

社会に戻ろう

「社会からの孤独」から逃れるのは「社会に戻ろう」という自分の意志が大事です。極端な話、なにも行動を起こさなければ、裁判が終わっても何も新しい生活は始まりません。社会にも戻れません。孤独感をますます感じてしまうでしょう。

ちなみに、この「社会に戻ろう」という発想は、普通の人には「どんな感覚?」と思われてしまうかもしれません。が、今、実際に倒産破産の過程にいらっしゃる方には、少なからず分かると思いますので、そんな方に向けて書いていますのでご了承ください。

裁判が終わるまでは出来る限り社会と接触する機会を持ち、そして時期が来たら再就職へ向けた活動を行い、すぐに社会に戻れる準備をする事が大事です。何もしなければ何も起こらない、何もしなければ収入も発生しない、ごくごく当たり前の事ですが、未来の生活を再スタートするために、是非とも強い意志で「行動」を起こして欲しいと思います。

そして、社会に戻れば、ほんと1年も経てば、普通の生活に戻ります。精神的にも普通に戻れると思います。自分の場合も今は全然普通です。むしろ今が普通?社長時代は「そんなときもあったなー」「資金繰り大変だったなー」「今はそういうプレッシャーが何もないなー」ぐらいな感覚というのが本音です。

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