倒産経験社長の実体験ブログ

経営していた会社が20☓☓年に経営破綻。負債3億円以上で会社は破算で個人も自己破算、そんな倒産を体験した元社長による実話ブログです。倒産前から弁護士介入、裁判、免責許可までの手続きの実体験、流れや出来事、生活の様子などなどを綴ってます。

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成功した経営者になれなかったスーパー営業マン

ただの営業マンだったのか?

倒産してかれこれ6-7年経ちました。

長かったような短かったのような、昔は「社長」って呼ばれるのが普通だったのが、今では例えば昔の社員に会った時など「社長」って呼ばれると、すっごい違和感があります。不思議なものですね。

今の会社にお世話になって、数年経ちました。若い子達に混ざって営業やってるんですが、営業成績がなかなか良いんですよ。まーおっさんなので上司は年下ですが、数字も出してる事もあるので、結構自由にやらせてもらってたり、決済も甘かったりっていうのもあると思うんですけどね。

全国に数百の拠点があって、ざっくり1,000人以上の営業マンがいて、で、〇年連続で契約件数が全国トップなんです。業種とか、拠点数とか、細かく書くと絞り込めちゃうので曖昧に書きましたが、とりあえず営業としては優秀みたいです。

で、思ったんです。確かに独立前も営業だったんですが、結構ずば抜けた成績は残してて、もともと営業としては優秀だったみたいなんですが、これがイコール「経営」にはならないんだなって事。まー今さらですが。

ま、それでも会社は10年経営して、年商も10億あって、それなりにはやっていたとは思うんですが、結論としては、優秀な営業マンから優秀な経営者にはなれなかったんだなって、そう思いました。サラリーマン時代も、経営者の時代も、ただの営業マンだったのかもしれないってね。

独立して経営者になってから

で、よくよく考えてみると、会社を経営し始めた当初は、社員も2-3人で、自分が営業マンでした。自分で企画して、営業して、受注を取って、それの事務作業をするのに事務員が必要だなって事で事務員を雇って、配送業務が必要だなって人を雇って、開業当初はそんな感じで人を増やしていきました。

もちろん営業も雇いましたが、超零細企業で社長が営業やってますから、営業と言っても社長のサポート的な感じ、いわゆる営業アシスタントみたいなものですね。

その後、順調に売上も伸びて行き、売上が2億、3億となると、事務員も増え、色々と役割分担ができ、営業も増えて行きました。が、結局のところ、自分で開拓した取引先との受発注のやり取りや、まー簡単な営業ですね。会社の大きな企画や営業は、自分が取引先の部長やらと商談して取ってきて、その実務を営業に振る感じでした。

そうなんです、つまり会社がうまく回ってた頃って、自分が社長兼営業だったんですよね。って今さらですが思いました。私は営業としては優秀みたいなので、社長やってたころは自分で営業してたころは会社も順調だったんですね。

ただ、年商5億超えた頃からは、徐々にですが営業を社員にシフトしていきました。もちろん全体は把握してましたが、5億、8億って売上が増えていくと、なかなか社長業も忙しくなってくるので、営業は営業部に任せて的な感じになっていったんですが、ここで歯車が狂って来ちゃったのかなと、後から振り返るとそんな気がします。

中小零細企業

会社が小さなころって、大体まーどこも同じ感じですよね。社長が中心に受注を取ってきて、それを周りの社員でさばいていくみたいな。これって優秀な経営者じゃなくても、優秀な営業マンなら割と簡単に出来ちゃうと思うんです。

ただ、ある程度の規模になって、社長が営業から離れても、会社が伸び続けるのには、社長に変わる営業マンが入ってくれるか、っていうか、ちゃんと自分で育てるのも大事ですし、あとは経営者として社長が現場にいなくても売上があがる仕組みづくりをしっかり出来るか?この辺が大切なんですね。

当時、もちろん自分では出来ていたつもりでした。優秀な営業マンもいた(と当時は思ってました)し、数字もある程度自然に作れてましたし。でも結果倒産しちゃったっていうのは、優秀な営業マンから優秀な経営者にはなれなかったって事です。

たぶんですが、規模もそこそこで抑えて、社員も10人、20人程度に抑えて、営業の中心は自分がやって、そこそこで満足しながら売上2億前後でやっていれば、今も安泰のまま続いてたような気がします。それでも年収で1,000万、2,000万とか取れて、オーナー会社ですので経費も使い放題で、車も社用車乗り回して、いい生活してたんでしょうね。今思えば、そのぐらいの規模の頃が一番儲かっていたと思います。

現実は、上場するぞ!って5億、10億、20億目指して設備投資して、社員も増やして、在庫も増やして、いけいけどんどんでやってたんですが、経営者としては優秀にはなれず・・・

人生プラン、会社の将来のプラン

世の中の8割9割?は中小零細って言われてますけど、そこそこの成功で満足していれば良かったなって思う事もあります。今、実際に、昔の私と同じような環境にいる方はとても多いと思います。そこそこの小さな規模でそこそこ黒字で回ってて、そこそこ安定してる会社。

このブログの読者でも結構多いと思います。このブログ、倒産しそうな経営者ばっかりが読んでる訳ではないそうで、小さな会社の経営者が、倒産ってどんな?って興味本位とか、予防線の意味で私の体験談を読んでる方もおおいそうで、そんな方に多少参考になればと、今回のテーマを書いてみました。

震災しかり、コロナしかり、ロシアしかり、円安しかり、世の中何が起こるか分からないです。この10年だけでも経済に影響のある出来事がたくさん起こっています。輸入業の方など、今の円安は衝撃的にしんどいと思います。

会社を大きくする事は楽しいし、規模に大じて売上も利益も増えますが、それ以上にリスクも責任も増えて行きます。会社を大きくするときは、勢いではなく、堅実に着実に長いスパンで考えながら伸ばしていく事をお勧めします。

そして、自分がある程度営業として数字を引っ張ってきたのであれば、それが完全に社員にシフトして、そこで数年大丈夫なのを確認してから拡大する事をお勧めします。

社長当時、交友関係も社長が多かったですが、いまでも会社を伸ばしている人は、やっぱり優秀な営業マンを沢山抱えています。まー優秀な経営者だからちゃんと出来てるんでしょうけどね。そんな会社は社長はほぼ現場ノータッチで、社長以下の部長課長クラスがやっぱり優秀で会社を回しています。そこだよなーって痛感しますね。

何となくお伝えしたかった趣旨は伝わりましたかね。優秀な営業マンが社長になって会社を引っ張ってきたケースに起こりがちなケースのお話でした。優秀な営業マンってだけじゃダメです・・・優秀な経営者を目指して頑張って下さい。

お読みいただき有難うございました。