会社が経営破綻、そして弁護士介入、破産、連帯保証人である代表者も自己破産、という過程において、多くのものを失いました。幸いにも一番大事なもの「家族」を失わずに済んだのが救いでした。
失ったもの一覧
何を失ったのか?経験者談としてざっくり書いてみようと思います。これから可能性が1%でもある方にとっては興味深いかもしれません。なにせ実体験です。
仕事に関して
社員、取引先、会社の資産、備品、他いろいろ考えましたが意外に項目は多くはありませんでした。ま、、「会社」を失ったのが社長としては一番大きいですね、会社、収入源、といったところでしょうか。社員に関しては親しい社員はいまだにコンタクトもあり、親しい取引先の人とは個人対個人としてたまに連絡取り合ってたりもしております。
個人に関して
自宅、預金、車、クレジットカード、生命保険の積立分、学資保険の積立分、年金型保険の積立分、ゴルフ会員権、特許関連の権利、が主でしょうか。資産価値20万未満は対象外のため、例えば家の家具、家電などは一切没収はされてません。
保険関連が全て没収されたのは残念でした。妻名義も全て没収でした。妻が専業主婦だったため、要は貴方のお給料が出どころだったわけでしょ、という感じでした。車もしかり、妻名義でも問答無用。子供の学資保険、生まれた時からコツコツ積み立てていたのも全て没収されてしまいました。名義が誰であろうと関係なかったですね。
ただ、妻の預金、子供の預金(お年玉や、出産祝い金などを入れていた預金)は無事でした。子供に関しては取られるのではないか?と冷や冷やしましたが。もちろん、資産隠し的に倒産直前で大きなお金を子供や妻の口座に移していたら取られていると思います。あくまで今まで自然に貯まっていた預金です。
あとは、自由な時間、家庭内での威厳、無駄遣い出来るお金、といったところでしょうかね。普通に働いても今までのような給与は取れていないため、おこずかい制になり、今までのようにたまのマッサージにも行けず、好きなようにお酒も飲めず、まーただこれに関しては、これからまた頑張ってがっつり稼げば取り戻せますね。
自宅に関しては、再度住宅ローンも組めないでしょうし、賃貸生活からは脱するのは厳しそうです。預金も今後子供の学費を考えると、よほど稼がないと全て子育てで消えていくでしょうね。まーこれに関しては普通のサラリーマン家庭でも近いものはあるでしょうけど。
意外にショックだったもの
実は全く意識してなくて失ったもので「あ、これも取られちゃうのかー」というものが1つありました。結構ショックでした。
それは「JALグローバル会員の権利」です。「どうでもいいじゃん!」と言われればそれまでですが、いや、権利取得するの結構大変だったんです。海外出張が多い時期に、毎回ビジネスで行った回数10回以上、20回は無かったと思いますが、1年近くかかってやっと得た権利でした。(そしてこの権利は実は一生涯続くんです)
正確には、破産で失ったというのではなく、破産によってクレジットカードを失ったため、JALグローバル会員の権利維持に必要なカードが無くなり、結果権利を失ってしまったという事です。会員権利は確かJALカードのゴールドカードとかに付いているとかで。この事に気づいてなく、JALからある日突然送られてきたご案内を見てショックを受けました。JALカード会員自体はそのまま継続ですが、クレジットカード脱会によりグローバルクラブ会員権利が消滅しました、みたいな案内でした。
この「グローバルクラブ会員」の何がいいのかと言いますと、①専用カウンター、②専用セキュリティーレーン(国際線)、③優先登場 が一番気に入ってました。
①専用カウンターというのは、例えばゴールデンウィークや、土日など、どんなにカウンターが混んでいても、基本的に空いている、時にはガラガラのグローバルクラブ専用カウンターでチェックイン(家族、時には友人も)出来ちゃう権利です。これは何気に助かってました。以前、正月に家族でグアムに行った時も、当たり前ですがグアムの空港はめっちゃ混んでいたのに、ガラガラのカウンターでごぼう抜きで手続き出来たのは、かなり楽ちんでした。
②専用セキュリティーレーンというのは、国際線で例えば成田空港とかですと、出国前の荷物チェックする場所がめっちゃ混んでたりするんですが、そことは別で専用のレーンでスッと行けちゃうんです。まーまー重宝してました。
③優先登場は、実際に機内に乗る時に先に乗れるってやつですね。まー別にいいんですが、みんな並んでいるところを「スッ」と先に乗れちゃうん優越感的な?らくちんで良かったです。
他にもラウンジやら、色々ありましたが、なんせ一度権利を取得したら一生涯使える権利という事で、この先、年をとっておじいちゃんになった時なんかには、色々体も辛いでしょうし、並ばずにチェックイン出来て、並ばずに荷物チェックレーンで中に入れて、並ばずにすっと搭乗できるのは、なかなかいいなと思ってました。
まー、そうそう飛行機に乗る機会もないでしょうし、いいんですけどね。
倒産、自己破産、色々大変な事もありますが、少なくとも借金で悩んで夜も寝れなかったころと比べれば、しっかり手続きして再出発して良かったなとは思っています。毎日大変ではありますが、コツコツと、色々頑張ってます。