倒産経験社長の実体験ブログ

経営していた会社が20☓☓年に経営破綻。負債3億円以上で会社は破算で個人も自己破算、そんな倒産を体験した元社長による実話ブログです。倒産前から弁護士介入、裁判、免責許可までの手続きの実体験、流れや出来事、生活の様子などなどを綴ってます。

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倒産危機を社長の様子から察する

会社が倒産、連帯保証人である社長、私自身も自己破産、そんな倒産経験を持つ元社長の実体験、そしてその後の人生について語っているブログです。お越し頂き有難うございます。

ラグビーワールドカップでの激しいタックルを見て、サッカーのちょっとした接触で、のたうち回る海外プロ選手に滑稽さを感じる今日この頃。ラグビー生で見たら迫力あるんでしょうね。社長だった頃なら絶対見に行ってましたが、今はちょっと厳しいですね。お金とは自由を得る道具、今は不自由です・・・

社員の立場から倒産危機を察するには

今までこのブログでは、社長目線での話題を中心に書いて来ましたが、視点を変えて、社員目線で書いてみます。ご意見、ご質問など頂く読者様も、経営者やその家族が多いのですが、実際には社員側の方も読まれているかも、と思いまして。

大企業はさておき、中小零細企業にお勤めの方にとって、会社倒産は悲劇と思います。実際に倒産させてしまった私が言うのも恐縮ですが、給与は保証されるのか?とか、賞与は、有給残は?失業手当に再就職、転職なんて考えてもなかったのに・・・という方も多いと思います。

業績悪化から倒産危機、倒産まで、社長の様子、会社の様子から倒産危機を察する事が出来るのか?など、書いていきたいと思います。

倒産を察する

私の場合ですが、実際に倒産の事を全社員、1人1人に伝えましたが、「全く考えてもいなかった」という社員もいれば、「何となく察してました」という社員もおりました。割合いでいえば、察していた社員は2割ほどだったと思いますが、会社的には危険サインを色々なところで発していたのですが、意外に少なかったです。

「まさか倒産になるほど深刻だったとは」という話は、年配社員からは良く聞きました。まー社内全体的に、苦しい状況というのは皆、分かっていた感じだったのですが、その先にある「倒産」というのは、「まさか」というのが全体的な感想でした。これは正直なところだとは思います。

倒産を察せられ過ぎると

よく、社員を奮起させるために、経営陣や上層部は「数字が良くない」といった話をする会社も多いと思います。ので、社員側からすると「またいつもの」という風に感じてしまう事もあるとは思います。奮起させるためにしている話なのか、本当にまずいのか?その「良くない」の度合い、深さ、その辺ですよね。

でも実際、どこまで深刻なのか判断するのは難しいところです。会社側からすると、本当に「この会社倒産しそう」というのが社員に伝わってしまうと、社員のモチベーションが下がったり、倒産しそうな会社にいても仕方ない、又はこの先、給与も賞与も期待できないと、転職する社員が出てきたり、そしてそれが悪循環でまた業績が悪くなる。という連鎖が起きますので、基本的に「数字悪いので頑張って欲しい、あ、でも倒産とかそれはないからね。皆の給与、待遇を良くするためにも頑張ろう」という辺りでの話まででしょう。

でも実際、本当に倒産っていうのは、やっぱり社員からすると「非現実」的な、「まさか」だったのだと思います。実際、倒産といっても、人を大幅に切りながらも続けるって思っていた社員も何名かいて、残してほしいと言われたケースもありました。残すも何も「倒産」だったので無理でしたが、そこまで深刻な状況でも「倒産は信じられない」社員もいたという事になります。

 

倒産のサイン

では実際、社長から発せられていく倒産のサインとはどのようなものなのでしょう。基本、上記で書いた理由もあり、倒産しそうな状況は知られたくないという心理がありますので、社員の前では普段通り振る舞っていると思います。よほど深刻で行き詰まっていて、もう精神的にやばい状況、とかではない限り分からないとは思います。

となると、社長の行動から察するのが一番分かり易いと思います。私の時を例にすると「銀行が来る回数が増えた」「役員、役職との会議の回数が増えた」「社員とのたまの食事、会食が減った」「社長室にいる時間が増えた」「会社にいない時間が増えた」などなど

「銀行が来る回数が増えた」

これは、もうまさにそのままですが、銀行への融資の相談の回数が増えているという事です。また、景気がいい時は銀行の営業マンが来るといっても「忙しい」と断っていたケースが多かったと思いますが、悪くなると「銀行を大事にしよう」という心理が働き、銀行の営業マンに対しても優しく?なり、面倒な提案や営業回りにも対応するようにはなってきます。資金繰りが困った時の「財布を増やしておく」必要があるので。

更に高度?な察する方法としては「今まで取引のなかった銀行が頻繁に来るようになった」とか、「あまり大きくない地方銀行が来るようになった」とかは結構危険サインです。既存銀行からの追加融資の返事も渋くなってくると、今まで相手にしてなかった銀行でも、話を聞くようになります。

「会議が増えた」

ま、当然といえば当然ですが、会議は増えます。上層部ではある程度深刻な状況が共有されていますので、会議で話すのは「人を減らす」だったりの「経費削減」の話も増えて行きます。もちろん業績アップの施策などもありますが、やはり経営が悪くなってくると取り組むのは「経費削減」「リストラ」といった、ランニングコスト削減ですので。

「社員とのたまの食事、会食が減った」

これは会社規模にもよると思いますが、私の場合はたまに社員さんと会食などに行くこともしていました。コミュニケーションの一環だったり、まーいろいろと。。

ですが、経営が悪化してくると、逆にこういうのが辛くなってきます。まー多少景気悪いぐらいだったら全然平気ですが、深刻化してくると、社員と時間を共有するのが辛い、というか状況を察せられないように振る舞うのが辛かったり、心理的にね。。

 

さてさて、このブログを書き始めてもう1年半以上か?結構経つのですが、社員の話を書いているといまだに少し辛くなったりしますね。やっぱり「悪いことしたな」っていうのが今も心に残っていて、あとは社員旅行や飲み会など、楽しかった思い出もあったりするので、少し思い出しちゃいますね。

「倒産」によって社長と社員は基本、以降の接触は無くなりますので、何年もの間、一緒に頑張ってきた、家族のように頑張ってきてくれた社員とも、ほんの一瞬で、その日を境に「サヨナラ」となってしまうのです。友達とかは離れてもまた会ったりっていうのがありますが、そういうのとは全然違いますね。完全に関係が無くなります。

ごく一部、今もたまに会って飲みにいく元社員もいますが、それ以外の社員とは全くあの倒産の日依頼、電話もメールも会うこともなく、あの瞬間から完全な他人なんですよね。いやいや、なかなか辛い事ですよね。倒産も辛いですが、そういった人間関係の「抹消」「消滅」も辛いものです。自業自得なんですがね。

少ししんみりしてきたところで、今日はここまでにします。
ご拝読、有難うございました。

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