倒産経験社長の実体験ブログ

経営していた会社が20☓☓年に経営破綻。負債3億円以上で会社は破算で個人も自己破算、そんな倒産を体験した元社長による実話ブログです。倒産前から弁護士介入、裁判、免責許可までの手続きの実体験、流れや出来事、生活の様子などなどを綴ってます。

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倒産前後の友人知人との接し方~孤独との戦い・その時のメンタル~

倒産が知れ渡る時

倒産前後の時期、友人知人との接し方って、とても難しいところです。私の場合、弁護士介入のタイミングで、何故かネットニュースなどに倒産ニュースが出回っていたので、何となく知れ渡ってしまったような感じでした。あれって、どこからニュースに出回るんでしょうか?不思議です。

後から聞くと、ネットニュースに気づいた人から伝染するような感じで伝わっていたようで、まーでも、直接連絡してくる人は実際ほとんどいなかったです。あれですよね、連絡するにしても「大丈夫?」とかぐらいしか言えないでしょうし、そう聞かれても「大丈夫だよ」ぐらいしか答えられないし。「大丈夫じゃない」とか答えられないし実際のところ、ですね。

社会との接点

人の交友関係って、例えば男の場合、職場、取引先、昔の友人、あとは人によっては趣味仲間(例えば、〇〇のチームでスポーツやってるとか?)、実際どうでしょう、そんなところですかね。個人差はあると思いますが。

社長さんの場合、基本的には会社、社員、取引先、社長仲間、なんかが普段の交流と言うかコミュニケーションを取っている人たち、これがメインだと思います。あとは昔の友人、私の場合は昔一緒にサラリーマンやってた頃の仲間とか、そのあたりでした。

で、実際に倒産ってなると、まずは職場が無くなります。残念ながら会社自体が無くなっちゃうので、社員との接触が途絶えます。もちろん取引先も一切途絶えます。社長仲間もおりましたが、まー途絶えますね。

そして昔の仲間なんかも、やっぱり知れ渡ると、会ったところで気を遣っちゃうし、そもそもメンタル的に会うのもしんどいので、結局は遠ざかる、というか遠ざけるようになります。そうです、倒産と共に「社会との接点」が無くなるのです。

社会との距離

するとどうでしょう。倒産というのも大きな出来事なのは間違いないですが、社会との距離がグッと開きます。これ、実は結構な出来事です。簡単に言うと、もう「会話」すること自体が極端に無くなります。

最近1週間で、誰と会話したか思い浮かべて下さい。直接の会話、電話、LINE、メールやSNSも含めて。そして、そこから会社の人、取引先、友人などを省くと、残るのは家族ぐらい、人によるとは思いますが、大きく減ると思います。

倒産と共に、そことの接点が無くなります。すると、「社会との距離」を感じるようになります。人が生きていく上で、社会との接点って実は結構大事だったと思うようになります。なんせ、生活から会話が消えていくので。

妻との会話、これはもうご察しの通り、ギクシャクは必至です。当たり前ですね。倒産という状況で、今までどおりのおしゃべり、これなかなか出来ないし、いやー無理です。唯一は、子供です。子供のいる方限定ですが、子供は年齢にもよりますが、小さい子であれば唯一、ゆいいつ「今までと全く変わらなく」接してくれますし、こちらも今まで通り接する事が出来ます。これ、本当に「宝物」です。

SNSはどうする?

例えばフェイスブック、ブログなど、やっていたとしても、「どこで債権者が見てるか分からない」ので、当たり前ですがフェイスブックで「今日はこんなデザート食べに行きましたー」とかのっけたら、そりゃ債権者は「イラっ」とする事、間違いないです。

私は全てのネット関係のものは辞めました。

社会との接点

社会とは、リアルの接点も無くなり、ネットの接点もなくなり、もう朝起きてから寝るまで、子供以外とまともに会話する機会もなくなります。なかなかな孤独感であり、社会との隔離を感じる事になります。

それこそ、ちょっと行ったコンビニで定員さんとの会話?と呼べるか分かりませんが、それぐらい、髪を切りに行った時にスタッフさんとの会話ぐらい、これらですら貴重な社会との接点になってきます。

そして定期的に弁護士先生との打合せ、これが唯一まともな会話になりますが、まー当然辛い会話ですよね。それでも、電車に乗って出向き、話をして、電車に乗って帰る、電車では会話はないですが人との接点にはなりますので、電車に乗ってる時は社会にいる事は実感できます。が、社会にいるようで実際にはいない感覚も感じます。

いち早い社会への復帰が重要

そんな生活を1カ月、2カ月、3カ月と続けていると、社会から隔離されたように感じてきます。人によりますが、そんな状況の中で車が取られ、家が奪われ、色々なものが取られ、またみなさん共通なところでは、銀行の通帳が取られ、現金も取られ、クレジットカードも取られ、です。

ですので、いち早い社会への復帰がメンタル的にも大切になってきます。いずれにしろ、また働き、生活を再建し、再スタートする事が重要なので、弁護士先生からのGOサインが出たら、すぐにでも再就職へ向けた活動をされる事で、社会との接点が増えて行きます。

応募すればメールなんかでのやり取りが発生し、面接となれば、実際に面接ではありますが、会話、やり取りが発生します。しばらく人と話してなかった状況ですので、正直、最初はかなりぎこちない感じはしました。まー面接なんて「リハビリ」程度の感覚でいいと思います。最初のうちは。

5回、10回と面接していけば、慣れてきます。そして、再就職を勝ち取り、会社に入れば社会復帰出来ます。まーとりあえずはバイトでもいいと思います。バイトをしながら就職活動。バイトでもいろいろな人との会話が発生しますので、これもリハビリになるでしょう。

友人知人との接し方

本題である友人との接し方ですが、なかなか難しいところです。倒産を知らない友人と会ったとして、倒産の事実を伝えなければ、「どう?会社は最近順調?」とかの話になったら、辛いです。順調って話しても辛いし、事実を話せば場が重たくなるでしょうし、なかなか難しいです。ま、男性であれば少なからず仕事の話も会話に出て来るでしょうしね。

では逆に、事実を伝えたら。これはこれで大変です。ま、普通は「大丈夫?」とか聞かれると思いますが、「大丈夫だよ」としか答えようがないですね。「大丈夫じゃない、もう死にたい」とか言えません絶対。

今までだったら「いやー、景気悪いね。もう倒産しそうで死にたいよー」なんて冗談で言ってたとしても、「はははー、まー頑張れよ」って感じでしたが、本当に倒産しちゃった今の状況でそんなこと言ったら「真面目に心配されます」冗談じゃなくなっちゃう訳ですね・・・

で、倒産の話をしちゃった以上、それ以外の話題もしずらくなっちゃいます。そんな大変な時にくだらない話しちゃっても、って友人も思うでしょう。こっちも心の底から笑えないし。

結局のところ、そんな状況では、「友人知人には会わない」という一択になっちゃうんですね。で、社会との距離が広がっていくという事に繋がります。それを打開するには、再就職、再スタートです。1つの通過点である倒産、裁判を終えて、まず再スタートを切って、新しい生活をスタートする事、そこまでは大変ですが、通過点を過ぎてしまえば必ずやってくるので、今、大変な状況にある方も、是非頑張ってほしいと思います。

以上、思うがままに綴ってしまいましたが、今、渦中にある方は、実際に社会との距離、隔離感など、感じている方も多いと思いますが、それはごくごく当たり前で、普通の感覚だと思いますので、気になさらないようお伝えしたかった意図もあります。

ごくごく一時的な事であり、置かれた環境から当然の感覚ですので、自分だけとは思わずに頑張って欲しいと思います。