倒産経験社長の実体験ブログ

経営していた会社が20☓☓年に経営破綻。負債3億円以上で会社は破算で個人も自己破算、そんな倒産を体験した元社長による実話ブログです。倒産前から弁護士介入、裁判、免責許可までの手続きの実体験、流れや出来事、生活の様子などなどを綴ってます。

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倒産用語辞典 免責(免責許可)

会社が倒産、破産する事と、借金が無くなる事は厳密には「イコール」ではありません。倒産、破産しても免責許可が下りなければ借金は無くならないのです。厳密には会社自体は手続きにより消滅となり、会社の債務は無くなりますが、連帯保証人である代表者個人の自己破産について、免責許可が下りるかどうかがポイントなります。ただし免責許可が下りなかった割合は、自己破産も含めて2-3%と言われているようです。
※以下、コトバンクからの引用(抜粋)です。

免責(免責許可)

コトバンク(免責

法文上個々の債務の弁済責任を免れる意味で用いられる場合もあるが,特に破産終結後,破産者が一般的に既存の債務につき債権者からの追及を免れることができることをいう。免責を認めるのは,破産は破産者の責任というより,経済情勢の変動による犠牲であるとの認識から,破産を経た破産者に従前の破産債権の負担を免れさせようとするのである。

独自目線での解説

免責が許可されなくなってしまう事情のことを「免責不許可事由」といい、裁判所の資料によれば、主に以下の要件が該当します。

(1)浪費(むだづかい)やギャンブルによって多額の借金をしてしまった場合
(2)財産を隠したり,壊したり,勝手に他人に贈与したりした場合
(3)破産申立てをする前の1年間に,住所,氏名,年齢,年収等の経済的な信用に関わる情報について嘘をついた上で,お金を借りたり,クレジットカードで買物をしたりしたような場合
(4)ローンやクレジットカードで商品を買った上で,その商品を非常に安い値段で売ってお金に替えた場合
(5)破産の申立てをした日から数えて7年以内に免責を受けたことがある場合
(6)裁判所や破産管財人が行う調査に協力しなかった場合

しかし、裁判官が総合的に考慮して,破産者の立ち直りのために,例外的に免責を認める場合もあり(裁量免責)、上記の5と6は逃れようがありませんが、よほどの事がない限りは大丈夫という認識になります。

ですが、仮に2%でも3%でも、「免責不許可」又は免責許可が下りずに「申立の却下」「自主的な取り下げ」が発生しているのも事実ですので、やはりこれから手続きを行う方にとっては心配の種になります。

やや専門的になりすぎてしまいましたが、免責不許可に関しては、詳しくは沢山の弁護士事務所様がホームページで解説されておりますので、そちらをググって調べて頂ければと思います。

当ブログの趣旨である、体験談に基づく話に戻します。

私の場合、いわゆる免責不許可事由に該当するような事は一切行っておりませんでした。ギャンブルもなければ不正もなし、資産も一切隠してませんでした。あー少しぐらい隠しておいてもばれなかったなー、、、とは後々になって思った事はありますが、全くもって不正はしてなかったです。

 が、何故か、何故か、すごく疑われてしまいました。負債額が大きかったせいもあるとおもいますが、どこかに隠していないか?など、直接聞かれはしませんが、何度も何度も打ち合わせに呼ばれ、取り調べのようなものを受けました。「やってないもんはやってない!ないものは無い!」とテレビドラマのようには言えませんでしたが、ただただひたすら誠意をもって対応を続けていました。

これらが長引いたせいで、債権者集会は何度も開かれました。調査が終わらない限り結論が出ないので、定期的に開催される債権者集会のたびに、「現在このような経過」という報告がなされ、何回も債権者集会が開催されていました。

途中、あまりにもしつこいので、こちらの弁護士も切れそうになっていましたが、管財人に逆らって気分を害して変な判決をされたら大変という事で、ひたすら我慢していました。

さて、私の場合は破産申し立てから終決まで半年以上がかかりましたが、その間、ずっと対応に追われていたわけではありません。最初の頃は資料作成等々で忙しかったですが、資料も全て用意した後は、代理人の弁護士先生がほとんど対応してくれて、たまに来る追加資料や、質問事項に答えるだけで済みました。

4か月経過ぐらいで就職活動を開始し、そして無事に再就職する事が出来ました。もちろん再就職先には現在の状況を説明したうえで採用して頂けました。その後、勤務初めて4か月経過した時点で、やっと免責許可が下りて無事に終わりました。再就職活動については、また別で書きたいと思っています。倒産、破産したとしても、再就職出来ますのでご安心下さい。