倒産経験社長の実体験ブログ

経営していた会社が20☓☓年に経営破綻。負債3億円以上で会社は破算で個人も自己破算、そんな倒産を体験した元社長による実話ブログです。倒産前から弁護士介入、裁判、免責許可までの手続きの実体験、流れや出来事、生活の様子などなどを綴ってます。

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倒産用語集 債権者集会

「債権者集会」は、Wikipediaには登録がありませんでした。本人(破産する会社、人)にとっては「債権者集会」はひじょーに気になるところですが、具体的に(簡単に分かり易く)説明しているホームページもあまりないので、ここで実体験から紹介する事にしました。Wikipediaにないため「コトバンク」さんがリンクOKでしたので、まずは定義を記載します。

※青字はコトバンクからの引用です。

債権者集会

コトバンク(債権者集会

破産手続の遂行に関して破産債権者の共同の意思を反映させるための集会。債権者集会は破産裁判所によって招集され,破産財団の管理機関の任免,財団の管理換価に関する重要な処置など法によって定められた事項について決議を行なう。

独自目線での解説

会社倒産、破産の経験の過程では、全てが初体験の事ばかりで「ドキドキ」する事も多々ありましたが、その中でも「管財人に会いに行く時」と「1回目の債権者集会」が最も緊張しました。特に「債権者集会」に関しては、イメージとして「怖い」イメージがありました。いわゆる裁判のようなものなので、裁判官がいて被告人(自分)がいて、色々問い詰められるのではないか?とか、債権者が沢山来ていて揉めたらどうしようとか、、、

弁護士介入後は、債権者とは一切の連絡も、会う事も禁止されていたので、債権者(銀行や取引先の方)に会うのも、介入以降は初めてでしたので、滅多な事では緊張もしないのですが、さすがに最初はドキドキでした。

 

弁護士先生からの事前説明

事前に弁護士先生からは大まかな流れは聞いていました。広い部屋にテーブル+椅子のセットがいくつか置かれていて、呼ばれたら席について何組もの債権者集会が一斉に同時進行で行われる。実際に債権者が来ることはほとんどなくて、銀行が来たりする事はありますが、そんなに来ないですよ。ほとんどが債権者0人というパターンです。当日は何を聞かれても私(弁護士先生)が代弁しますので、聞かれても話す必要はなく、黙って座ってれば大丈夫です。

といった説明を受けて向かいました。

実際の当日の様子

裁判所の建物へ入場の際は簡単な荷物チェック、そして中で弁護士先生と待ち合わせていざ会場のあるフロアへGO。服装はスーツ、債権者が来ている可能性もあり、裁判官もいるので、さすがに私服だとまずいです。清潔な恰好でネクタイもしっかり絞めていきました。

会場は広い会議室というか、かなり広かったです。200名ぐらいのセミナーが出来るぐらいの縦長のスペースの会議室でした。いわゆる裁判って感じではなく、ごくごく普通の会議室です。入り口を入ると、ごくごく普通の受付があり、そこで名前を伝えて中に入ります。受付と言っても長テーブルに名簿が置いてあり、担当者が1-2名受付をしている感じです。

ここでチェックポイント。案件ごとに来場している債権者の数が書いてありました。確か正の字だったような、記憶が少し曖昧ですが。そして、そして、自分の案件のところを見ると、結構債権者が来ていて腰が抜けました。ドキドキ。

会議室前方には、コの字型のような感じで長テーブルと椅子が設置してあり、そのコの字型1セットで一組の裁判が行われます。そのセットが確か5セットか6セットぐらいありました。

そしてその前方に向かって椅子が1列15人×10列強並んでいたと思います。債権者を含めてすでに多くの方が並んでいましたが、ほとんどが破産者本人とその代理人の弁護士先生です。そして時刻が来ると順番に名前を呼ばれます。呼ばれたら指定されたテーブルへ座ります。

 

債権者集会開始

最初、私は呼ばれず、他の方の債権者集会が始まりました。ほぼ個人の名前が呼ばれる事が多く、主に個人破産の案件が多かったようです。確率的にも個人が圧倒的に多いのでしょうかね。債権者も誰も来ていませんでした。裁判官、管財人、当事者(破産者)、破産代理人(弁護士)の4人のみです。管財人が用意した文章を読み上げ、債権者がいないので質問もなく、淡々と呪文のように進んでいきます。早いと5分かからないぐらいでしょうか?サクサクと終わっていきます。終わり=つまり免責許可で終了していってる様子でした。

次の番で私の会社名、個人名が呼ばれて席へ付きました。と、債権者が10名近くも、、、他の席は相変わらず債権者は誰もおらず、でも私の席は椅子を追加するぐらいでした。負債3億円以上ですので当然と言えば当然ですが。。。

さて、いよいよ債権者集会が始まりました。私にとっては裁判のようなものです。まずは管財人が経過を報告。今回、1回目の債権者集会の段階では、まだ調査完了していないため、経過資料が配られて現在の状況の説明を行いました。裁判官から債権者へ質疑応答、一部債権者から発言がありましたが、分配はどのぐらいあるのか?等の質問で、特にトラブルは起こりませんでした。

すると、すぐに裁判官から「では今日の債権者集会は終わりです」と告げられ、次回は〇月〇日〇時となります、と伝えられて終了。ちなみに次回の債権者集会の日程はその場で伝えられるだけだそうです。従って、1回目の債権者集会に来なければ、次回の日程も分からないという事ですね。

その後、個人の債権者集会が行われ、こちらもあっという間に終わりました。個人=つまり銀行の方、不動産会社の方が残って行われました。(銀行融資、及び事務所の賃貸契約の保証人に私個人がなっているため、銀行と不動産会社は個人の債権者でもあるため残れた、という経緯です。個人的に借金はなくても、連帯保証人ゆえに自己破産するしかないという中小企業のオーナーの宿命です。)

時間的には30分もかからないぐらい、20分ぐらいだったかもしれません。発言する事もなく、ただただ管財人の説明を聞くだけの時間でした。ただ、目の前に債権者が大勢いましたので、とても気まずい気持ちのする時間でした。そして、何か揉めるような事を言い出すのではないか?とハラハラしました。

ちなみに銀行もメインバンク以外は来てなかったです。弁護士介入前、銀行と毎日のようにやり取りしていましたが、その時点ですでにメインバンクと他行で情報共有をしていたようですので、もしかしたらメインバンクから各行の担当者へ報告されていたのかもしれません。(想像)

他の債権者としては不動産屋、大口の取引先が来ていましたが、何名かは顔を見たことがない方もいらっしゃいました。特に名簿もないので、誰かも分からず少々不安になりました。なお、最初受付するところには、来場者の会社名などの記載がありましたので、開始直前に来て上手く見れば、どの債権者が来てるか確認出来る可能性もあります。

 

以上が債権者集会の様子です。なかなかここまで細かく書かれたものはないので、これから債権者集会へ初めて臨む方がいらっしゃれば、参考になれば幸いです。簡単にまとめますと、何も発言する事もなく、裁判官、管財人から質問される事もなく、あっという間に終わる形式的な会のイメージです。